Caroline Denervaud (キャロリン・ドゥネルヴォ)
スイス・ローザンヌ、1978年生まれ。
造形芸術家、ダンサー。フランス・パリ在住。

わたしが彼女の作品に出会ったのは、何かの雑誌の紙面だった。わたしの目に飛び込んできたのは、淡いピンク、紅色に近いピンク、鮮やかなオレンジ、レモンイエロー、深い緑、水色、藍色 、乳白色、何色もの色がゆっくりと動いているような、やわらかな曲線とともにそれらの色が゙調和した作品。それは、直接わたしの身体の感覚に入り込んだ、という表現が正しいかもしれない。

しばらくして、彼女の作品を実際に鑑賞できる機会に恵まれた。 彼女の大きな作品たちが壁に飾られた空間は、色と曲線の動きの対話、そこから浮かび上がる音のない旋律に満ち溢れていた。 ピアノを習っていた子供の頃、ドは赤、レはオレンジというように、わたしの想像の中ではドレミの音色ひとつひとつに色があり、クレヨンで画用紙の上に音色を塗りながらメロディを口ずさんでひとりで遊んでいた。彼女の作品を目の前にし、その幼い頃の記憶が瞬時に蘇ったのだった。

ローザンヌ生まれのキャロリンは、ダンスの勉強のためにロンドンに出発したが、怪我に見舞われ、ダンサーの道を諦めざるを得なくなった。しかしそれが転機となり、その後彼女は絵画の道へ転身する。

床に敷かれた一枚の白い紙。彼女はその紙の上に横たわり、彼女の身体の動きの痕跡を残す。その痕跡の形状に応じて、白黒、または色彩を用いて彼女は作品を仕上げる。地面に紙が敷かれたその瞬間から作品は生まれ、彼女はそれらをすべてビデオで自動撮影し、ビデオそのものも作品となる。

彼女の身体の動きの痕跡はすでに過去のものである。しかし、わたしの目の前に広がるのは様々な感情を宿し、彼女の身体から生まれたエネルギーが揺れ動いているかの様な今も躍動するCaroline Denervaudの作品たち。

(Text : Ayami Ijima)

 

©Caroline Denervaud

 

©Caroline Denervaud

キャロリン・ドゥネルヴォの世界

どのような経緯をたどって今のあなたの芸術表現へたどり着いたのですか?

学生時代、ダンスと絵画、ファッションを学びました。ダンスはわたしにとって初めての恋人の様で、表現方法やコミュニケーションの方法であり、夢みることでもあったのよ。その後、事故によってダンスをやめざるを得なくなったの。だから絵画とファッションへ移行したの。現在のわたしの仕事は動きと絵画が混じり合ったもの。

あなたのアートをあなた自身でどのように説明しますか?

動きの痕跡。ダンスは、ビデオ、トレース、または絵画の形で具体化されます。

 

今の芸術表現はどうやって生まれたのですか?

わたしが何かを決めたわけではないの。踊り、わたしの絵画、ビデオが一緒になってわたしの方へやってきた。わたしはそれを受け入れて、試みて、追い求める…

 

■あなたの仕事で最も情熱を感じることは何ですか? またあなたが遭遇する問題は何ですか?

動き、即興性、驚き、感情、リズム、そしてかたちと色。

問題は実用的なものね、スペースの問題やビデオの技術的な問題とか… でもすべては学ぶことができるわ!

 

■制作やあなたの仕事全般において最も重要なことは何ですか?

真実であること、わたしの感情に沿っていること、本質へ向かっていること。

 

©Caroline Denervaud

 

©Caroline Denervaud

■インスピレーションの源は何ですか?

一般的な動き、身体、均衡と不均衡、ピンク色。

 

■なぜこの表現方法を選んだのですか?

ダンスはわたしにとって常に表現するための最も簡単で最も自然な方法だった。
絵画とトレースとビデオは動きを「捉える」ためのもの。

 

■あなたの芸術表現において、常に色彩の構成が重要であると感じるのですが、 色彩はあなたにとって何を表し、どんなインスピレーションを与えるのですか?

ピンクは私が最初に使う色。 この色は私を落ち着かせるの。ピンクは柔らかくてニュートラルであると思う。 赤は、よりはっきりとして、より情熱的な点を与える。 青と緑はより新鮮で、調和または不調和、均衡または不均衡を作り出す、またはそれらを強調するために、絵画の中では2番目に出現するの。

 

■あなたの作品にとって身体の動きもまた非常に重要な位置を占めていますが、「 動き」はあなたにとって何を表していますか?

人生、息。でも感情や欲望についても語る…

 

■自身の作品で好きな作品はどれですか?

新しいビデオの作成に入るの、普通は自動撮りなんだけれど、これは別の人によって撮影されるの。すべての新しいプロジェクトは本当に興奮するわ。

 

■プロジェクトで何を強調したいですか? あなたはどのような価値観を擁護しますか?

わたしは何も強要しないの。作品を見ているその間、日常生活から切り離されて、別の場所の中に「飛び込むこと」を作品を通して見てもらいたいと思ってるの。

©Caroline Denervaud

 

©Caroline Denervaud

 

©Caroline Denervaud

キャロリン・ドゥネルヴォと日本

■日本は好きですか?

残念ながら、日本には行ったことがないの… 日本はす独特の美学と非常に豊かな文化を持っているように思うわ。 ぜったいに行きたい!

 

■興味のある日本のアーティストや作品はありますか?

日本舞踏。和紙に描かれた絵画。アジアの紙はとても卓越しているよね。

 

■日本のアーティストとその作品をどのように見ていますか?

伝統的で、現代的でもある。場合によってはそれが同時でもあること!詩的だと思う。

 

■今後予定しているもしくは直近の活動は?

9月10-12日 Grand palais、パリアートフェア出展
9月15日から Circle Culture Gallery(ベルリン、ハンブルグ)にてグループ展
9月末 ミラノRoman Sviridov Galleryにて個展
10月末 NYジェルマンタウンMary McGill Galleryにて個展

 

https://www.carolinedenervaud.com/

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